本のこと日記

2007年12月の本のこと日記

2007.12.28 『ホルモー六景』万城目 学

『鴨川ホルモー』『鹿男あをによし』で私を魅了した万城目学さんの新作。傑作『鴨川ホルモー』の番外編です。
なので、ぜひ『鴨川ホルモー』を読んでから手に取っていただきたい。っていうか、「鴨川ホルモー」がわからないと「ホルモー六景」は意味不明です、きっと。
今回は京大、いや、京都にとどまらず、東京でも「ホルモー」。現代に収まらず、過去までも『ホルモー』です。

ホルモンじゃありません、念のため。

今回の『ホルモー六景』の中には、歴史上の出来事や人物と「ホルモー」との関わりがおもしろい!
万城目さん、天才だな、とつくづく感じます。やっぱ京大とかに入っちゃう人って私なんかとは頭のつくりが違うんでしょうか。

私が一番面白かったのが梶井基次郎「檸檬」と『ホルモー』が意外なところでつながってたというストーリー。
あーーーー、こんなん読んだからまたしても「私もホルモーやりてぇっ!」と思う日々。


ちょっと「ホルモー」に魅せられすぎて頭がおかしくなってきたので、次回は江國香織さんでも読んで、気を引き締めます。

(by ミッチョリーナ)

2007.12.26 『青空チェリー』豊島ミホ

R−18文学賞受賞作。
帯に『男子禁制!立ち読み厳禁!』
とありますが、なるほどその通りです。

3つの短編からなるこの本。
初っ端から『のぞき』の話ですから。

予備校の隣にできたラブホテルを屋上から覗き、青空の下、男の子と並んで仲良くオナニーする予備校生の話。
それだけ聞くとブッ飛んでますが、これがなかなかどうしてさわやか小説。

あ、だから正確に言うと『男子禁制!』ではないです。
が、『立ち読み厳禁!』かもしれません。厳禁っていうより、家に帰って一人ニヤつきながら読んだほうがいいでしょう。


でもさすが「R−18」、健康的なエッチ小説です。
「R−30」とかだったらエロエロなんでしょうけど「R−18」ですから甘酸っぱい。

2編目『なけないこころ』は大好きだった男の子との再会の場、成人式を前に、床上手となるために経験を重ね中の女子大生の話。純情なのかスレているのかわからない・・・そこがおもしろい!

そして私が好きだったのは最後の『ハニィ、空が妬けているよ。』
現在の戦争に東京が巻き込まれ、疎開することになった主人公と首都にいる恋人の「教授」、疎開した地元の「ダーリン」との物語。人の愛情のつながりと深さを感じる逸作です。


(By ミッチョリーナ)

2007.12.10 『檸檬のころ』豊島ミホ


豊島ミホさん、最近むちゃくちゃ好きな作家さんです。
なんかこう、青春の甘酸っぱさがパァっと蘇ってくる作家さんです。

この『檸檬のころ』の舞台は田んぼと山に囲まれた、コンビニの一軒もない田舎の県立高校。

あれれ?それって我が母校“野沢北高(通称 北高)”ちゃう???

と思いながら読み始めると、なんとその高校の名前は「北高」。
この北高の近くにはオシャレな“南高”があって・・・・・おいおい、モロに野沢北高じゃん!

豊島ミホさんの出身は秋田。秋田も長野も、きっと同じような時間が流れていたんだろうな。


『檸檬のころ』はそんな「北高」を舞台にした短編集
保健室に引きこもって授業に出ない親友を持つ女の子。
北高卒業生で司法試験に5回落ち続けている青年。
中学時代に友達以上恋人未満だった女の子と、高校に入学してから距離ができてしまった野球部の男の子。
下宿屋の恋。
音楽少女が恋に落ちた話。
そんな生徒たちを持て余す担任教師。
野球部のエースと吹奏楽部の女の子の恋。

北高という進学校を舞台に様々なストーリーが描かれています。

檸檬のように酸っぱかったあの頃がリアルに、カラーで蘇ってきます。
私の高校時代。
進路のことで親とモメました。モメまくりました。
授業、サボったりもしました。
部活で汗も涙も流しました。
女の子同士でお弁当を食べながらガールズトークに花を咲かせてました。
好きな男の子と一緒に帰ってトキめいたり、失恋したり・・・これは今と変わってないな。

・・・今から思うと毎日毎日キラキラ♪
そんな私の高校生活に確かに『檸檬のころ』の登場人物がいた気がする。

受験、部活、友達、進路、恋愛・・・不器用だったあの頃!
悩みもいーっぱいあったけど、それなりに楽しかったあの頃!

戻りたいとは思わないけど、忘れたくない時間です。


さて、『檸檬のころ』で一番好きな話はラストの、野球部のエース佐々木君と加代子ちゃんの話「雪の降る町、春に散る花」。
東京の大学に進学が決まった加代子ちゃんと、地元に残る佐々木君。大好きだった彼と別れなければならない辛さが胸を貫きます。
二人のなれそめから、別れの日までの日々が、読んでいて胸に迫ってきます。(脳内BGMは『なごり雪』)
田舎、出たかったんです。都会に行きたかったんです。
でもやっぱり別れは寂しかった。
読んでいて、田舎を離れ、一人暮らしを始めたときの不安と寂しさがオーバーラップしてきました。

地方の県立高校出身の方々なら「あったあった!こういうことあった!」と思うこと、間違いなし!

(By ミッチョリーナ)

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